前立腺癌―ホルモン療法非依存性前立腺癌の治療は，化学療法剤の保険収載に伴いどのように変化するか？

How to use docetaxel for Japanese hormone-refractory prostate cancer patients

要旨　一般に，前立腺癌が内分泌療法に抵抗性となった場合には化学療法が用いられる。しかしながら，従来の化学療法は有効性・安全性の点より必ずしも満足し得る結果を得てこなかった。ドセタキセル（商品名：タキソテール^®）を用いた化学療法は，2004年に大規模臨床試験の結果に基づき米国で承認された。以後，ドセタキセルを中心とした化学療法は世界的に標準的治療としての地位が確立され，欧米の各種ガイドラインにも取り上げられている。本邦においては，2008年8月にようやく前立腺癌への追加適用が承認された。本稿では，ドセタキセルのエビデンスを整理するとともに，本邦における使用の注意点や課題を含めて概説する。