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特集 泌尿器科の癌薬物療法―ここが聞きたい
前立腺癌―ホルモン非依存性前立腺癌の治療は,化学療法剤の保険収載に伴いどのように変化するか?
The role of docetaxel-based chemotherapy for hormone resistant prostate cancer
鈴木 和浩
1
Kazuhiro Suzuki
1
1群馬大学大学院医学系研究科泌尿器科学
キーワード:
ホルモン非依存性前立腺癌
,
ドセタキセル
Keyword:
ホルモン非依存性前立腺癌
,
ドセタキセル
pp.335-342
発行日 2009年4月20日
Published Date 2009/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101738
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要旨 ホルモン非依存性前立腺癌(HRPC)に対して,ドセタキセルが保険収載された。国内phase Ⅱ試験はプレドニン10mgとの併用で70mg/m2で行われた。PSA反応,測定可能病変の反応は国外の試験とほぼ同様であった。本療法は泌尿器科領域で初めて外来化学療法として施行可能であるが,高齢者や骨髄予備能などの低い症例を対象とするために,有害事象には細心の注意が必要である。しかし,二次三次内分泌療法が無効な症例でもcomplete responseを得る症例もあり,適応と投与量,経過観察などをシステム化し,期待の持てる治療選択肢と考える。ステロイド,エストラサイトなどの併用薬剤,骨転移に対するゾレドロン酸との併用,至適導入時期,さらにドセタキセル無効例への対応などの課題があるが,HRPCに対する治療でようやく欧米と同様な治療選択が可能となったことは意義深い。
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