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2006年春に東京医科歯科大学から埼玉県立がんセンターに移り,上司の東 四雄副病院長の全面的な支援のもと,地域住民によりよい医療を提供すべく奮闘努力している。埼玉県は東京に隣接しながら人口あたりの医師数が最も少ない医療過疎県だが,増え続ける泌尿器科の需要を反映して先生方の数も徐々に増え,埼玉地方会はいつも会場があふれるほどのにぎわいになっている。名の知れた実力のある先生方もたくさん活躍されているが,出身大学に関係なくよくまとまっている。現在,獨協医大越谷病院の岡田 弘先生が中心となって,埼玉医大総合医療センター,自治医大さいたま医療センター,埼玉医大国際医療センター,防衛医大などの先生方と共同で臨床研究を進めようと画策している。一昨年12月には,国立埼玉病院の門間哲雄先生,防衛医大の住友 誠先生,埼玉医大国際医療センターの吉村一良先生,埼玉医大総合医療センターの諸角誠人先生,獨協医大越谷病院の新井 学先生,埼玉県央病院の重城 裕先生など若手の精鋭が集まって,限局性前立腺がんの最新治療についての話題を集めた「泌尿器科低侵襲治療研究会」を開催,たくさんの先生方にお越しいただき活発な討論を行うことができた。増え続ける前立腺癌を前にして,PSA検診の普及は泌尿器科医の大事な使命と考えるが,昨年3月にさいたま市で『かしこいPSAとの付き合い方』という市民公開講座を開き,門間先生,春日部市立病院の蜂矢隆彦先生,そして群馬大学から駆けつけてくださった伊藤一人先生とともに,前立腺癌診療の最前線についての話題をご紹介した。
県外の先生との交流も着実に増えている。センターに講演に来ていただいたのをきっかけに虎の門病院の小松秀樹先生ともおつきあいいただくようになり,その縁で昨年春から東京泌尿器科研修協議会にも参加させていただいている。駒込病院,聖路加国際病院,NTT東日本関東病院,国立がんセンター中央病院,関東中央病院,旭中央病院,亀田総合病院,癌研有明病院など実力派の病院が集まって,学会では発表しにくい難渋例などについて若手の先生が中心になり活発に討論しており,病院間の手術交流も積極的に行われている。今後,診療方針に関する検討なども進めていく予定であり,新臨床研修制度のもとで求心力が低下している大学に替わり,意欲のある若い泌尿器科医を育てていくための1つのモデルになるのではないかと期待している。
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