書評
「臨床麻酔レジデントマニュアル」―古家 仁 編/川口昌彦,井上聡己 編集協力
澄川 耕二
1
1長崎大学・麻酔蘇生学
pp.1051
発行日 2008年12月20日
Published Date 2008/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101617
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臨床麻酔の実践はまさに患者の生命をあずかることであり,広範な事項にわたって適切な判断が要求される。知識の一部が欠落するだけで重大な結果を招く恐れがあり,実践の根拠となる知識は常に再確認が必要である。医学生は試験で80点も取れば余裕で合格するであろうが,専門医の判断には100点満点が要求されるのである。
臨床麻酔の実践にあたっては,生理学や薬理学の系統的な知識をベースとした最新の技法ときめ細かな配慮が欠かせない。さらに,臨床の現場で遭遇する偶発症やさまざまな出来事に対しても適切な対処が必要である。本書は臨床麻酔を実践するにあたり,現場での意思決定に必要なあらゆる知識・技術を網羅しており,一部の隙もみせないみごとな構成となっている。麻酔科専門医を目指すレジデントに格好のマニュアルであるが,専門医にとっても知識の欠落がないかをチェックするのに大いに有用である。また,初期研修医にとっても具体的な手引書として研修効果を高めることができよう。
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