書評
Serge Tixa 著 奈良 勲 監訳 川口浩太郎,金子文成,藤村昌彦,佐藤春彦 訳「触診解剖アトラス 第3版」
福井 勉
1
1文京学院大学理学療法学
pp.447
発行日 2018年5月10日
Published Date 2018/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201308
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本書はSerge Tixa氏の著書『触診解剖アトラス(第3版)』の日本語訳本である.頸部,体幹・仙骨,肩,上腕,肘関節,前腕,手関節・手,股関節部,大腿部,膝関節周囲,下腿部,足関節および足部という12章で構成されている.
本邦にも触診解剖あるいは体表解剖の類書は複数あるが,本書は550ページを超える大著である.骨学と筋学を中心に構成されているが,神経および血管についても記載されている.触診方法の特徴としては,関節を特定のポジションに保持して神経の触診を容易にする工夫や,「性差」について述べられている箇所もある.学習書として第1章から順次読み進めることももちろん良いが,必要な情報が網羅されているため,索引を用いて辞書的に活用することも可能である.また随所に記述されている「クリニカルヒント」は,運動器疾患患者を検査・評価する際に遭遇するさまざまな場面を想定して大変詳細に述べられている.
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