私の検査室
川口市民病院
石田 行仁
1
1中央検査部
pp.566-567
発行日 1958年9月15日
Published Date 1958/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905509
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当中央検査科は昭和32年6月に始つた。約1年を経過したのみで,何も特別お伝えする事もない。未だ完成への途上にある。筆者自身は,当科を受けもたされた時,現在身にしみて感じる程,このシステムに対して,充分の理解をもち得なかつた。季節遅れの感はあるが,このシステムの普及発展を奨めたい為,1年間の感想と現況を書く事にした。1人の医師は確に万能ではあり得ない。医療内容の向上,充実,発展は,このシステムを除いては考えられない。病状の把握,診断,治療方針,推移,予後等は,極言すれば,手をコマヌイていて可能である。医師は自信を以て対象を処置出来るし,患者の内界に立入る余暇が生じる。亦社会的には所謂過剰診療等の弊も防げる等々,之は正に組織の力である。
当院は人口15万弱の地方都市にある市立病院であるから,超一流の中央検査科とは違つた点が考えられる。要約は,パイオニアではないが,忠実なエピゴーネンとしての態度をくずさない事であり,各員の純然たる分業は不可能であり,エネルギツシユな活動が望まれる。
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