書評
「尿路結石症のすべて」―日本尿路結石症学会 編集
村井 勝
1,2
1国際親善総合病院
2慶應義塾大学
pp.1031
発行日 2008年12月20日
Published Date 2008/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101614
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このたび日本尿路結石症学会(理事長 郡健二郎 名古屋市立大学大学院教授)の編集による「尿路結石症のすべて」が出版された。
皆様ご存知のように,尿路結石症の歴史はエジプト時代(7000年前)のミイラに観察された腎盂結石と膀胱結石にさかのぼるといえ,ヒポクラテス時代には砕石術が試みられていた。さらには,近代外科学の父といわれるアンブロワーズ・パレによる教科書(1564年版)にも,尿路結石が尿道炎や尿閉とともに取り上げられている。また,中世にはリソトミスト(砕石師?)と呼ばれる外科医が砕石術を盛んに行っていたようである。これらの歴史が示すまでもなく,尿路結石症は頻度も高く,再発率も高く,泌尿器科診療の中で最も重要な,そして基本となる疾患のひとつといえる。しかし,尿路結石症に関して正しい知識,特に最新の知見を有する泌尿器科医が多いとは決していえない。本症の診断から治療までを網羅したアップデートな著書の出版が望まれた所以である。
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