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2.神経因性膀胱障害と尿失禁
■尿失禁
【溢流性尿失禁】
40.「尿がたらたら漏れる」という要介護の高齢者です。子宮頸癌の手術歴があります。対処と処方について教えてください。
加藤 久美子
1
1名古屋第一赤十字病院女性泌尿器科
pp.135-137
発行日 2008年4月5日
Published Date 2008/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101417
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1 診療の概要
溢流性尿失禁(overflow urinary incontinence)は,高度の尿排出障害の結果,残尿で膀胱が緊満し,ついには尿道抵抗を越え,ダムから溢れるような形で漏れるものである。尿排出障害が本態であるのに,表面的に尿失禁を呈することから,奇異性尿失禁(paradoxical urinary incontinence)とも呼ばれる。
常時たらたら漏れることが特徴とされるが,腹圧が加わったときに,尿道抵抗を越えて漏れると,特に女性では,腹圧性尿失禁と見間違うような症状になることがある。また,残尿で有効膀胱容量が減少し,頻尿でトイレに行く間に漏れると,切迫性尿失禁と紛らわしい。
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