画像診断
後腹膜腫瘍と考えた副脾
鈴木 徹
1
,
松下 靖
1
,
藤岡 知昭
1
1岩手医科大学泌尿器科
キーワード:
後腹膜腫瘍
,
副脾
Keyword:
後腹膜腫瘍
,
副脾
pp.351-353
発行日 2003年4月20日
Published Date 2003/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100894
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患者 72歳,女性。
主訴 左後腹膜腫瘤。
既往歴 22歳,急性虫垂炎で手術。2001年4月より高脂血症の診断で内服加療中。高血圧の既往なし。
家族歴 特記事項なし。
現病歴 前医消化器内科で肝囊胞の精査目的に施行したCTで左後腹膜に腫瘤を指摘され,2001年11月前医泌尿器科に紹介された。腫瘤は左副腎部に一致し4.1×3.1cm大の内部均一な楕円形状の腫瘤であり造影CTで造影効果を認めたため,左後腹膜腫瘍の診断で手術目的に当科に紹介された。
入院時現症 身長142cm,体重51.5kg,血圧130/70mmHg,脈拍70,整。
検査所見 血液一般,血液生化学検査に異常を認めなかった。血中,尿中CA三分画,血中,尿中VMA,HVA,尿中17-OHCS,17KS,血中cortisol,ACTH,血中レニン,アルドステロンの内分泌学的検査はすべて正常範囲内であった。
手術所見 全身麻酔下に右半側臥位とし臍の外側および肋骨弓下外側にそれぞれ3本のトロカーを挿入した。脾結腸曲を切開し脾外側に沿って頭側へ切開を延長しToldt白線に沿って腎下極付近まで切開を進めた。左腎上極内側でGerota筋膜を切開剥離したところ褐色調の腫瘍が認められた。腫瘍を全周性に剝離摘出しエンドキャッチTM を用いて創外に摘除した。手術時間は2時間40分,出血量は33mlであった。
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