特集 前立腺疾患のすべて
Ⅲ 前立腺癌
前立腺癌の疫学
樋之津 史郎
1
,
赤座 英之
1
Shiro Hinotsu
1
,
Hideyuki Akaza
1
1筑波大学臨床医学系泌尿器科
pp.151-156
発行日 2003年4月5日
Published Date 2003/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100845
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1 はじめに
1981年以降,日本における死亡原因は悪性新生物によるものが最も多く,その割合も増加傾向にある。前立腺癌は悪性新生物の中でも増加傾向を認めているものの一つであり,1999年における男性の部位別死亡率では「気管,気管支および肺」,「胃」,「肝および肝内胆管」,「大腸」,「膵臓」に次いで「前立腺」は6番目に多いと報告されている。
しかしながら,死亡率の国際比較を行うと,明らかに欧米に比べて日本は低い値であることから,人種による遺伝的要因や,環境による要因において差があるのではないかと考えられている。
今回,入手できる最新のデータと,アジアを含めた国際比較を行うことで日本の現状を明確にしたい。
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