増刊号特集 前立腺疾患'96
トピックス
前立腺癌に対するフルタミド
赤座 英之
1
Hideyuki Akaza
1
1筑波大学臨床医学系泌尿器科
キーワード:
前立腺癌
,
フルタミド
Keyword:
前立腺癌
,
フルタミド
pp.259-261
発行日 1996年3月30日
Published Date 1996/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901780
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はじめに
ステロイド骨格を持たない,Pure-antiandrogen(non-steroidal antiandrogen)は,精巣でのtestosterone(T)産生には影響を与えず,標的器官の受容体レベルにおいて,アンドロゲンと拮抗すること,および前立腺細胞におけるアンドロゲン感受性はdihydrotestosterone(DHT)に対してのほうがTに対してよりも著明に高くpure-antiandrogenのレセプター拮抗作用の場は主として前立腺細胞と考えられている。これらによりpure-antiandrogenは血中Tの低下による筋力の低下,性欲の低下およびインポテンスの発現なしに前立腺細胞に対し抗アンドロゲン作用を示すものと考えられている。
フルタミドは,本邦では最初に保険適用が承認されたpure-antiandrogen剤であり,これにより前立腺癌に対する内分泌療法の幅が広がったといえよう。
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