- 有料閲覧
- 文献概要
2001年4月に50床の泌尿器科を中心とした小病院へ電子カルテを導入しました。第1の目標は患者に情報を速やかに提示できること,第2は情報の一元化にありました。電子カルテが稼動して軌道に乗った頃,日本医療機能評価機構の評価項目のVer. 3がVer. 4に変わるため多くの病院が審査の申し込みをしていました。当院も申し込みをしようとあせりましたが,医療コンサルタントに相談したところ,電子カルテで医療情報が一元化されているのだからVer. 4でゆっくり準備をしていきましょうとアドバイスを受けました。「患者様のための病院造り」,「病院の組織改造」を目指して,組織図を作成,種々の委員会を立ち上げ,PDCA(Plan-Do-Check-Action)に従い自分たちの病院の組織を作っていきました。実践目標をマニュアル化して実行し,実際に効率よく行われているか検討して,新しいマニュアルを作成する,の繰り返しでありました。病院の理念には「患者様・職員・地域の人々の心を大切にして,時代に先駆けた医療が提供できる夢のある病院を創ります。」を掲げました。私たちの病院は築30年以上を経過した古い病院で至る所を改造する必要があり,病院改造にかかる費用は多額になりました。2003年8月日本医療評価機構に審査を申し込みましたが申し込みが多くて,審査日は約11か月後の2004年7月14,15日となりました。
それからが大変でした。日本医療評価機構統合版新評価項目解説集に従い,1.病院組織の運営と地域における役割,2.患者の権利と安全の確保,3.療養環境と患者サービス,4.診療の質の確保,5.看護の適切な提供,6.病院運営管理の合理性について,個々の項目を詰めていきました。診療録,診療情報の一元化では電子カルテが威力を発揮しました。職員たちからの医師の評価などには苦労しました。2年3か月にわたる長い戦いでしたが7月の審査の結果,10月18日付で認定されました。
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.