交見室
泌尿器科小病院の将来への取り組み/魅力ある英語での学会発表は魅力ある日本語での発表から
北島 清彰
1
1北島病院泌尿器科
pp.264-265
発行日 2000年3月20日
Published Date 2000/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902878
- 有料閲覧
- 文献概要
病院を経営していますと,診療だけでなく,様々な雑用が入ってきます。臨床の世界にどっぷりと浸り,周回軌道を回り始めますと,文献を読む時間もままなりません。地域の小さな病院だからこそ時代の波に乗り遅れることなく,全職員が新しい医療を学び,技術の向上を続けることが病院存続の必須条件となってきています。病院内の医師たちと許される限りの学会に参加し,発表を続けています。当然ながら発表は臨床的研究と,臨床症例が中心となってきます。しかし,症例の絶対数が大病院と比較して少ないために発表できないことが多々あり,残念に思っています。
さて,昨年10月に開催されました第64回日本泌尿器科学会東部総会(岡田清己会長,東京)のセミナーで,DRG/PPS(diagnosis related grouping:診断別疾患分類/prospective payment system:定額支払い方式)やクリニカルパスが討論されました。これらの導入が模索され,日本の医療が急速に大きく変わろうとしています。一方,EBM(evidence-based medicine,根拠に基づく医療)の実践が大きく言われています。このEBMのプロセスは,①日常臨床での疑問点→②情報の収集→③得られた情報の批判的吟味→④患者への応用の妥当性の評価(中村清吾,MEDICALQOL52:18—19,1999)と表現されています。
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.