交見室
PSA検診公費負担よりも禁煙運動を
木元 康介
1
,
大島 明
2
1総合せき損センター泌尿器科
2大阪府立成人病センター調査部
pp.256
発行日 2005年3月20日
Published Date 2005/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100206
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本誌58巻11号の本欄,勝岡先生の「前立腺がん検診を公的施策に」に対して反対意見を述べたい。
検診が有用であると証明されるためには,生存率が上昇するだけでは不十分で,死亡率が下がることを証明する必要がある。よく誤解されるのだが,生存率の分母は患者数であり,死亡率の分母は対象となった母集団の人数である。したがって,両者は,前者が上がればそれに伴って後者が下がるという関係にはない。例を挙げると,日本における小児の神経芽腫の尿中VMA検診の場合,生存率は上がったものの死亡率の減少は明らかではなく,多くの過剰診断/過剰治療がなされたため,有害であったことが証明されている(「正しい治療と薬の情報」2002年)。
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