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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2002
4.皮膚疾患治療のポイント
皮膚腫瘍に対するALA外用PDTの実際
Photodynamic therapy with topically applied 5-aminolevulinic acid in dermatology
森脇 真一
1
,
星野 優子
2
,
山田 知加
2
,
高城 倫子
2
,
田中 秀生
3
Shin-ichi MORIWAKI
1
,
Yuko HOSHINO
2
,
Chika YAMADA
2
,
Tomoko TAKAGI
2
,
Hideo TANAKA
3
1浜松医科大学光量子医学研究センター
2浜松医科大学皮膚科学教室
3浜松医科大学歯科口腔外科
1Photon Medical Research Center, Hamamatsu University School of Medicine
2Department of Dermatology, Hamamatsu University School of Medicine
3Department of Dentistry, Oral and Maxillofacial Surgery, Hamamatsu University School of Medicine
キーワード:
エキシマダイレーザー
,
活性酸素
,
光線力学療法(PDT)
,
5—アミノレブリン酸(ALA)
,
皮膚腫瘍
Keyword:
エキシマダイレーザー
,
活性酸素
,
光線力学療法(PDT)
,
5—アミノレブリン酸(ALA)
,
皮膚腫瘍
pp.112-117
発行日 2002年4月10日
Published Date 2002/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903941
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近年,腫瘍選択的光感受性物質である5—aminolevulinic acid(ALA)外用剤を用いた光線力学療法(photodynamic therapy:PDT)が表在性皮膚腫瘍治療の1つの選択肢として注目されている.ALAを病変部に密封外用すると,数時間でプロトポルフィリンIX(Pp IX)に変換される.Pp IXはある波長の光線を照射すると励起され,基底状態に復帰する際に産生される活性酸素が腫瘍を壊死に陥らせる.本法は非侵襲的,非観血的で何度でも繰り返すことができ,整容的にも優れた安全性の高い治療法である.欧米ではすでに多くの症例で有用性が確認されているが,本邦ではまだその実績は少ない.筆者らは学内倫理委員会の承認を得て,表在性皮膚悪性腫瘍(扁平上皮癌,基底細胞癌,乳房外Paget病,Bowen病)あるいはがん前駆症(日光角化症)患者に対してALA外用PDTを開始した.皮膚腫瘍の中でも角化傾向の少ないもの,メラニン産生の少ないものは特に有効と思われた.光線照射中の熱感,疼痛のため約半数の症例で局所麻酔薬が必要であった以外には,特に副作用は認めなかった.皮膚腫瘍治療の第一選択はもちろん外科的切除であるが,高齢者,重篤な内科疾患を合併する場合,手術を拒否した場合には考慮してもよい治療法であると考える.
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