Japanese
English
症例報告
穿孔性腹膜炎にて死亡したコレステロール結晶塞栓症の1例
A fatal case of cholesterol crystal embolization developing perforating peritonitis
上奥 敏司
1
,
山本 敦子
1
,
下峠 紀子
1
,
石井 正光
1
,
鷲見 知彦
2
,
澤田 寿一
3
,
森本 芳和
3
Satoshi UEOKU
1
,
Atsuko YAMAMOTO
1
,
Noriko SHIMOTOUGE
1
,
Masamitsu ISHII
1
,
Tomohiko SUMI
2
,
Toshikazu SAWADA
3
,
Yoshikazu MORIMOTO
3
1大阪市立大学大学院医学研究科皮膚病態学
2大阪市立大学大学院医学第1内科
3白鷺病院外科
1Department of Dermatology, Osaka City University Graduate School of Medicine
2First Department of Internal Medicine, Osaka City University Graduate School of Medicine
3Department of Surgery, Shirasagi Hospital
キーワード:
コレステロール結晶塞栓症
,
小腸穿孔
,
腸管壊死
Keyword:
コレステロール結晶塞栓症
,
小腸穿孔
,
腸管壊死
pp.797-799
発行日 2001年9月1日
Published Date 2001/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903694
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
71歳,男性.労作性狭心症(3枝病変)にて冠動脈バイパス術(CABG)を施行後より好酸球増多,CRP陽性,両足趾全体の冷感,チアノーゼ,疼痛が出現し,一部に黒色壊死化を認めた.足趾の紫紅色斑部の皮膚生検にて,真皮下層から脂肪織レベルの血管内に針状にぬけた典型的なcho—lesterol cleftの像を認め,コレステロール結晶塞栓症(CCE)と診断した.急激な腎機能の悪化に対して透析を導入し,血管拡張剤やHMG-CoA変換酵素阻害剤などによる治療を行い,小康状態であった.その後,徐々に足趾の状態が悪化し,他院にて左第1〜5趾切断術を施行された.しかし,急に腹痛が出現したため緊急開腹となり,空腸が120cmにわたり多発穿孔を伴う壊死に陥っており,まもなく死亡した.CCEにおいて小腸穿孔に到った症例は稀であり,皮膚科領域では自験例が最初の報告であると思われる.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.