Japanese
English
症例報告
トシル酸スプラタストが有効であった好酸球増多症候群の1例
A case of hypereosinophilic syndrome successfully treated with suplatast tosilate
栗原 みどり
1
,
宮崎 達也
1
,
大塚 勤
1
,
山蔭 明生
1
,
山崎 雙次
1
,
池野 義彦
2
Midori KURIHARA
1
,
Tatsuya MIYAZAKI
1
,
Tsutomu OHTSUKA
1
,
Akio YAMAKAGE
1
,
Soji YAMAZAKI
1
,
Yoshihiko IKENO
2
1獨協医科大学皮膚科学教室
2獨協医科大学呼吸器アレルギー内科学教室
1Depertment of Dermatology, Dokkyo University School of Medicine
2Depertment of Pulmonary Medicine and Clinical Immunology, Dokkyo University School of Medicine
キーワード:
好酸球増多症候群
,
アレルギー肉芽腫性血管炎
,
トシル酸スプラタスト
Keyword:
好酸球増多症候群
,
アレルギー肉芽腫性血管炎
,
トシル酸スプラタスト
pp.611-613
発行日 2001年7月1日
Published Date 2001/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903644
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
54歳,男性.1996年頃より早朝に喘鳴あり,ときに喘息発作をみた.1998年9月中旬より四肢に軽度の瘙痒を伴う米粒大から小児頭大の比較的境界明瞭な浸潤性紅斑が出現し,大腿伸側に網状皮斑が出現した.著明な好酸球増多,肝障害があった.血沈充進,CRP陽性.抗核抗体(+),IgE 1,888 U/ml, ECPは249μg/mlと著:明に上昇していた.胸部X線では右下肺野に浸潤影(+).肝・脾腫もあった.浮腫性紅斑部の組織所見は,真皮上層,血管周囲に好酸球,一部リンパ球を混じる島嶼状の細胞浸潤がみられた.毛細血管の拡張と内皮細胞の腫大がみられたが,フィブリノイド変性や血管壁の壊死像は認めなかった.肝生検では好酸球浸潤を伴った肝脂肪変性がみられた.好酸球増多症候群と診断し,トシル酸スプラタスト投与,3週間後ECP 28.5μg/ml,好酸球25%へ低下し,皮疹も色素沈着を残して軽快した.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.