間欠的に増悪する痒疹様皮疹を呈し，好酸球増多症候群との鑑別を要したWells症候群

Wells syndrome with intermittently relapsing prurigo-like lesions simulating hypereosinophilic syndrome

・Wells症候群は末梢血好酸球増多を伴って蜂窩織炎様の皮膚症状を呈し，病理組織学的に真皮の好酸球浸潤とflame figureを特徴とする疾患である．皮疹は蜂窩織炎様とされているがさまざまな臨床像を呈しうる．

・再発寛解を繰り返す痒疹様皮疹の患者に，好酸球増多症と病理組織学的にflame figureを認めWells症候群と診断した．

・自験例は好酸球増多症候群（hypereosinophilic syndrome：HES）の診断基準も満たした．HESでも約半数で皮疹を呈し，Wells症候群との異同が問題となる症例の報告もある．Wells症候群とHESは明確に区別できる別疾患ではなく，同一スペクトラム上にある病態の可能性も示唆される．

（「症例のポイント」より）