Japanese
English
症例報告
民間療法により下肢に広範囲壊死をきたした1例
A case of leg necrosis caused by alternative medicine
南 満芳
1
,
荒瀬 誠治
1
,
飛田 泰斗史
2
,
山中 健生
3
,
遠藤 健次
4
,
梅原 隆司
4
,
松野 修一
5
,
長谷 貴将
5
,
松田 昌之
5
Mitsuyoshi MINAMI
1
,
Seiji ARASE
1
,
Yasutoshi HIDA
2
,
Kensei YAMANAKA
3
,
Kenji ENDO
4
,
Takashi UMEHARA
4
,
Shuichi MATSUNO
5
,
Takanobu HASE
5
,
Masayuki MATSUDA
5
1徳島大学医学部皮膚科学教室
2小松島赤十字病院皮膚科
3徳島大学医学部形成外科学教室
4徳島大学医学部整形外科学教室
5滋賀医科大学救急部
1Department of Dermatology, Tokushima University School of Medicine
2Division of Dermatology, Komatsushima Red Cross Hospital
3Department of Plastic and Reconstructive Surgery, Tokushima University School of Medicine
4Department of Orthopaedic Surgery, Tokushima University School of Medicine
5Division of Emergency Care, Shiga Medical School
キーワード:
民間療法
,
壊死
,
重症軟部組織感染症
,
MRI
,
医師・患者関係
Keyword:
民間療法
,
壊死
,
重症軟部組織感染症
,
MRI
,
医師・患者関係
pp.579-582
発行日 2001年7月1日
Published Date 2001/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903634
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52歳,女性.右膝窩部の皮下腫瘤に対して医学的治療を受けず,民間療法の施設に入所し氷による冷却療法を継続していたところ,凍傷から二次感染を起こし,広範囲の右下肢壊死へと進展した,当院受診時,右下肢ほぼ全体は乾燥傾向の強い黒色壊死の状態であった.ガドリニウム造影MRIで右下腿は深部の筋肉まで壊死に陥っていることが判明したので,直ちに大腿骨膝上12cmでの下肢切断を施行した,最近,民間療法や新興カルト宗教団体の儀式的行為により持病が悪化したり,ひいては死亡に至った事例が報道され社会の関心を集めている.しかし,この背景には現代医療に対する不信,特に良好な医師—患者関係の欠如,医療事故の多発などが関係しており,われわれはこの点について再考し日常診療にあたる必要があると思われる.
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