Japanese
English
今月の症例
右下肢にサルコイド反応を併発した陰部Paget病
A case of genital Paget's disease associated with sarcoid reaction on the right leg
安川 恵美
1
,
佐藤 淳
1
,
上枝 万純
1
,
荒川 謙三
1
,
荒田 次郎
1
Emi YASUKAWA
1
,
Atsushi SATO
1
,
Masumi UEDA
1
,
Kenzo ARAKAWA
1
,
Jiro ARATA
1
1岡山大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Okayama University Medicinal School
キーワード:
サルコイド反応
,
悪性腫瘍
,
サイトカイン
Keyword:
サルコイド反応
,
悪性腫瘍
,
サイトカイン
pp.574-577
発行日 2001年7月1日
Published Date 2001/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903633
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72歳,男性.初診の2年前より陰嚢部の結節に気づいていた.1か月前より右大腿前面に地図状の紫紅色斑が出現.続いて右下肢全体が腫脹し,深浅さまざまな皮下硬結が多発してきた.陰嚢部は浸潤癌を伴うPaget病であり,右大腿の紫紅色斑はリンパ管内の腫瘍塞栓と周囲の出血であった.皮下結節部には腫瘍細胞は認められず,非乾酪性類上皮細胞性肉芽腫の像を呈していた.紫紅色斑と皮下結節はPaget病に対する化学療法に伴い,約1か月後に色素沈着となり軽快した.以上の結果から,下肢にみられた結節性病変は陰嚢部Paget病に合併したサルコイド反応であると考えた.このようなサルコイド反応は,腫瘍の存在による免疫機構の変調により生じる組織反応の一表現であると考えられている.
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