Japanese
English
症例報告
IgA単独欠損症を認めた口腔扁平苔癬の1例
A case of oral lichen planus with selective IgA deficiency
岸本 和裕
1
,
山崎 啓二
2
,
金子 史男
1
Kazuhiro KISHIMOTO
1
,
Keiji YAMAZAKI
2
,
Fumio KANEKO
1
1福島県立医科大学皮膚科学教室
2竹田綜合病院皮膚科
1Department of Dermatology, Fukushima University School of Medicine
2Division of Dermatology, Takeda General Hospital
キーワード:
IgA単独欠損症
,
口腔扁平苔癬
,
金属アレルギー
Keyword:
IgA単独欠損症
,
口腔扁平苔癬
,
金属アレルギー
pp.889-891
発行日 2000年10月1日
Published Date 2000/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903374
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48歳,女性.小児期より齲歯,反復感染を繰り返しており,歯科金属にて補填されている.口腔粘膜,口唇に皮疹が分布し,組織は扁平苔癬に一致した.金属パッチテストにて歯科含有金属(スズ,ニッケル)で陽性所見を呈した.口腔用ステロイドにより一時的に軽快するも難治であったためアレルゲン金属除去および換装したところ,1か月後より著明な皮疹および自覚症状の改善を認めた.血液学的検査,免疫電気泳動にてIgA単独欠損症の合併を確認した.自験例ではIgAの欠損のため粘膜での抗原吸収抑制力が低下し,金属アレルギー感作を起こした.これが誘因となりアレルゲン接触部における表皮細胞に抗原が発現され,これをターゲットとしたT細胞の表皮への攻撃のため口腔扁平苔癬を生じたものと推測した.
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