Japanese
English
症例報告
チオプロニン投与中にIgA単独欠損症を併発したGeneralized Morpheaの1例
A Case of Generalized Morphea Associated with Selective IgA Deficiency during Thiopronine Treatment
佐々木 哲雄
1
,
斉藤 胤曠
2
Tetsuo SASAKI
1
,
Tanehiro SAITO
2
1横浜市立大学医学部皮膚科学教室
2神奈川県立こども医療センター皮膚科
1Department of Dermatology, Yokohama City University School of Medicine
2Division of Dermatology, Kanagawa Prefectural Medical Center for Children
キーワード:
チオプロニン
,
IgA単独欠損症
,
generalized morphea
,
SH化合物
,
抗核抗体
Keyword:
チオプロニン
,
IgA単独欠損症
,
generalized morphea
,
SH化合物
,
抗核抗体
pp.129-132
発行日 1990年2月1日
Published Date 1990/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900027
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11歳女性のgeneralized morphea患者でチオプロニン投与中にIgA単独欠損症を併発した症例を報告した.皮疹は顔面,両上肢,腰背部に多発する硬化萎縮斑で,組織学的にも真皮全層の膠原線維の増生を認めた.初診時には抗核抗体(FANA)弱陽性,抗DNA抗体陽性,血清IgA 80mg/dlであったが,プレドニゾロンにチオプロニン併用開始後,IgA単独欠損とFANA抗体価の上昇を認めた.プレドニゾロンは漸減し15歳時中止,チオプロニンは16歳時中止した.18歳時の検査で血清IgAは50mg/dlと一時的に回復をみたが,19歳の現在再び7〜8mg/dlと低下している.皮疹は前額の一部に軽度の萎縮硬化を残すが,他は色素沈着のみの状態となっている.これまでD-ペニシラミン,金製剤,カプトプリルなどのSH基を有する薬剤によるIgA単独欠損症の誘発が報告されており,自験例もSH化合物であるチオプロニンによって誘発されたものと考えられた.
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