Japanese
English
症例報告
多彩な皮疹を伴った持久性隆起性紅斑の1例
A case of erythema elevatum diutinum with various cutaneous lesions
杉田 康志
1
,
中郷 俊五
2
Yasushi SUGITA
1
,
Shungo NAKAGO
2
1因島市医師会病院皮膚科
2東生口診療所
1Division of Dermatology, In-noshima City Medical Associated Hospital
2Higashiikuchi Clinic
キーワード:
持久性隆起性紅斑
,
IgA-κ型M蛋白血症
Keyword:
持久性隆起性紅斑
,
IgA-κ型M蛋白血症
pp.724-726
発行日 2000年8月1日
Published Date 2000/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903332
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72歳,男性.両手指関節部背面,左大転子部,坐骨結節部に血疱や紫斑を伴う小指頭大から小豆大の軽度隆起した結節,両手掌には小膿疱や血疱,足底には紫斑や血痂を伴う拇指頭大の過角化性局面を散在性に認めた.病理組織学的に,真皮浅層から中層にかけて血管周囲を中心に好中球とリンパ球を主体とした中等度の炎症細胞浸潤を認め,多数の核破砕片を伴っていた.一部の血管壁には,血管壁の破壊とフィブリンの沈着を認めた.免疫電気泳動法でIgA-κ型M蛋白が同定され,良性M蛋白血症と考えられた.持久性隆起性紅斑と診断し,ジアフェニルスルホンを50mg投与し,治療開始1か月後には皮疹はほぼ消退した.持久性隆起性紅斑は様々な皮膚症状を呈する疾患であると思われる.
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