Japanese
English
症例報告
皮疹と多彩な神経症状を伴った完全型Heerfordt症候群の1例
A case of Heerfordt syndrome with plaque type cutaneous sarcoidosis and various neurological symptoms
千葉 友紀
1
,
奥田 知規
1
,
大井 綱郎
1
,
古賀 道之
1
,
藤田 博之
2
,
田中 孝男
3
Yuki CHIBA
1
,
Tomoki OKUDA
1
,
Tsunao OH-I
1
,
Michiyuki KOGA
1
,
Hiroyuki FUJITA
2
,
Takao TANAKA
3
1東京医科大学皮膚科学教室
2東京医科大学耳鼻咽喉科学教室
3東京医科大学眼科学教室
1Department of Dermatology, Tokyo Medical University
2Department of Othorhynoralingology, Tokyo, Medical University
3Department of Ophthalmology, Tokyo Medical University
キーワード:
嗅覚障害
,
サルコイドーシス
,
Heerfordt症候群
Keyword:
嗅覚障害
,
サルコイドーシス
,
Heerfordt症候群
pp.715-718
発行日 2000年8月1日
Published Date 2000/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903330
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31歳,女性.両耳下腺の腫脹と霧視,下腿の皮疹,微熱,嗅覚の脱失,顔面神経麻痺,右上口唇の運動麻痺感により精査目的で当院耳鼻科に入院した.皮膚科初診時,両下腿に浸潤性紅斑を認め,組織学的には真皮上層から皮下脂肪織にかけて中心壊死を伴わない類上皮性肉芽腫であった.霧視に対する眼科精査でぶどう膜炎を認めた.以上より本症例を完全型Heerfordt症候群と診断した.本邦におけるHeerfordt症候群で皮疹を伴うものは,完全型と不完全型を合わせて14例あった.そのうち12例に下腿の皮疹が認められ,これは本症候群に特徴的所見と思われた.一般にサルコイドーシスは検診時のBHLで発見されることが多いが,自験例は嗅覚障害をきっかけに発見されており興味深い.多彩な神経症状の原因に関しては,諸検査を行ったが明らかにできなかった.
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