Japanese
English
総説
近赤外線
Near-infrared Spectroscopy
星 詳子
1
,
田村 守
2
Yoko HOSHI
1
,
Mamoru TAMURA
2
1北海道大学小児科
2北海道大学電子科学研究所超分子分光分野
1Department of Pediatrics, School of Medicine, Hokkaido University
2Biophysics Group, Institute for Electronic Science, Hokkaido University
キーワード:
Cytochrome oxidase
,
Oxidation-reduction state
,
Monitoring of tissue oxgenation
Keyword:
Cytochrome oxidase
,
Oxidation-reduction state
,
Monitoring of tissue oxgenation
pp.293-299
発行日 1995年4月10日
Published Date 1995/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436901001
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I.はじめに
近赤外分光法は,組織の酸素化状態をリアルタイムで連続的にモニターすることができる新しい非観血的計測法で,近年多くの注目を集めている.この方法により組織血液量,ヘモグロビン(Hb),ミオグロビン(Mb)の酸素化状態,さらにミトコンドリア内チトクロームオキシダーゼ(cyt.ox.)の酸化一還元状態を測定できる.特にcyt.ox.の酸化—還元状態の測定は,従来の方法では知り得なかった細胞内(ミトコンドリア内)の酸素化状態の情報を直接与えてくれる.本法は患者モニターのみならず,様々な生体現象解明の一手段としても応用することができる.しかし,現時点ではまだ解決すべき幾つかの間題が残されており,主たる問題点は定量化とcyt.ox.の酸化一還元状態の測定法に関するものである.定量化とcyt.ox.の測定法の問題は,本法の将来性にかかわる重大な問題である.そこで,近赤外分光法の基本原理やHbの測定の詳細は幾つかの総説1,2)を参照していただき,本稿ではこれらの問題点を整理し,さらにその解決法を提示してみた.
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