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特集 最近のトピックス1996 Clinical Dermatology 1996
4 治療のポイント
皮膚潰瘍治療における消毒の問題
Current issues on the use of disinfectants for cutaneous ulcers
宮地 良樹
1
Yoshiki MIYACHI
1
1群馬大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Gunma University School of Medicine
キーワード:
消毒薬
,
ポビドンヨード
,
皮膚潰瘍
,
褥瘡
,
創傷治癒
Keyword:
消毒薬
,
ポビドンヨード
,
皮膚潰瘍
,
褥瘡
,
創傷治癒
pp.139-142
発行日 1996年4月15日
Published Date 1996/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901856
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皮膚潰瘍や褥瘡治療において,創面の感染制御はもっとも重要なアプローチの一つであるが,非選択的毒性を有する消毒薬の使用には異論も多い.これはポビドンヨードなどの消毒薬にみられる組織傷害性が創傷治癒を遷延させるという理由によるものである.一方,MRSA感染創に最も有力なポビドンヨードは捨てがたいとの意見もある.大切なことは,創面の清浄化が求められる時期では正しく用い,滲出液が減少し肉芽形成期に入った場合には創周囲にとどめることであろう.正しい使い方とは,目的に合った濃度を用い,創内に残留させないこと,洗浄剤を含む製剤を用いないことである.入院中で,生理食塩水による洗浄が清潔に施行できる理想的な状況と,在宅ケアでの困難な状況との間には大きなギャップも存在するので,消毒薬の使用には合理的かつ柔軟な対応が求められよう.
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