特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2000
1 最近話題の皮膚疾患
Paraneoplastic pemphigus
石井 美奈
1
,
藤原 浩
1
,
伊藤 雅章
1
Mina ISHII
1
,
Hiroshi FUJIWARA
1
,
Masaaki ITO
1
1新潟大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Niigata University School of Medicine
キーワード:
paraneoplastic pemphigus
,
抗表皮細胞間抗体
,
plakoglobin
Keyword:
paraneoplastic pemphigus
,
抗表皮細胞間抗体
,
plakoglobin
pp.11-13
発行日 2000年4月15日
Published Date 2000/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903194
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症例:59歳,男性.1995年4月頃より,舌痛と口腔内びらんが出現.ステロイドの全身投与に反応せず,結膜炎,陰部のびらん,上肢に水疱も出現した.組織像,蛍光抗体法所見よりparaneoplastic pemphigusと診断した.縦隔腫瘍摘出後,粘膜,皮膚病変とも軽快傾向を示した.現在はプレドニゾロン,シクロスポリン内服中である.Para—neoplastic pemphigusは,1990年Anhaltらによって提唱された疾患概念である.主として血液系の悪性腫瘍を伴い,臨床的に口腔粘膜が強く侵されることが特徴的であり,組織学的所見,蛍光抗体法所見などにより診断可能である.この患者血清はdesmopla—kin 1, BPAG 1, envoplakin, periplakinなど多彩な抗原と反応する.今回,我々は患者血清がplakoglobinにも反応することを見いだした.
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