Japanese
English
症例報告
水疱蓋の表皮内にcaterpillar bodyを認めた,HCV-RNA陽性の晩発性皮膚ポルフィリン症の1例
A case of porphyria cutanea tarda positive for HCV-RNA with the caterpillar body in the epidermis of the roof of the bulla
田村 あゆみ
1
,
奥芝 幹代
1
,
加藤 直子
1
Ayumi TAMURA
1
,
Mikiyo OKUSHIBA
1
,
Naoko KATO
1
1国立札幌病院皮膚科
1Department of Dermatology, Sapporo National Hospital
キーワード:
晩年性皮膚ポルフィリン症
,
HCV-RNA陽性
,
caterpillar body
Keyword:
晩年性皮膚ポルフィリン症
,
HCV-RNA陽性
,
caterpillar body
pp.227-229
発行日 2000年3月1日
Published Date 2000/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903153
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60歳,男性で,大量飲酒歴を有し,HCV-RNAが陽性であった晩発性皮膚ポルフィリン症(porphyria cutanea tarda)の1例を経験した.露光部に小水疱,びらんが認められ,尿・便中のポルフィリン体の増加がみられた.組織学的に表皮下水疱と,水疱蓋の表皮内にPAS染色が陽性で毛虫状の形態を有するcaterpillar bodyを認めた.C型肝炎に対しインターフェロンα(以下IFN-α)療法を行い,HCV-RNAは陰性化したが,肝機能障害および皮疹は改善しなかった.その後瀉血療法を行ったところ,肝機能が改善し皮疹もほぼ消失した.IFN-αによりHCVが排除され,肝障害が徐々に鎮静化し,同時に肝URO-D活性が正常化した可能性があり,さらに瀉血により鉄が除去されて皮疹の出現が抑制されたと考える.
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