Japanese
English
症例報告
Pagetoid Bowen病の1例
A case of pagetoid Bowen's disease
三浦 龍司
1
,
平井 昭男
1
,
右田 友房
2
Ryuuji MIURA
1
,
Akio HIRAI
1
,
Tomofusa MIGITA
2
1埼玉社会保険病院皮膚科
2埼玉社会保険病院電顕室
1Department of Dermatology, Saitama Social Insurance Hospital
2Researching Office of the Electronmicroscopic Study, Saitama Social Insurance Hospital
キーワード:
pagetoid Bowen病
,
澄明細胞
,
腺腔様構造
,
電顕所見
Keyword:
pagetoid Bowen病
,
澄明細胞
,
腺腔様構造
,
電顕所見
pp.179-182
発行日 2000年2月1日
Published Date 2000/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903141
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76歳,男性.約15年前より左下腿内側に瘙痒と灼熱感を伴う皮疹が出現した.徐々に拡大し,4年前より近医にてステロイド外用の治療を受けるも軽快せず,当科を受診した.初診時左下腿内側に,40×25mm大,表面軽度びらんを有する扁平隆起性紅斑を認めた.組織学的に,錯角化,異常角化細胞を含む表皮内全層性の配列の乱れを伴う異型細胞の増殖がみられ,特に澄明細胞が目立ったことからpagetoid Bowen病が考えられた.澄明細胞が一部で腺腔様構造を呈したことから,汗腺系腫瘍,乳房外Paget病,および悪性黒色腫を鑑別する必要があると思われた.特染の結果,澄明細胞は有棘細胞由来を示す分化型ケラチンのみ陽性を示し,自験例をpagetoid Bowen病と診断した.澄明細胞の電顕所見において,細胞内小器官に富むものと,細胞内小器官の乏しいものを見いだし,これらは経時的に変化し,初期にみられる澄明細胞の活動性が次第に低下するものと思われた.
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