異所性乳房外Paget病と鑑別を要したPagetoid Bowen病

Pagetoid Bowen’s disease needed to be differentiated from ectopic extramammary Paget’s disease

94歳，女性。約1年前から大腿部に皮疹が生じジメチルイソプロピルアズレン軟膏を外用していたが改善せず，当科を受診した。左大腿部に比較的境界明瞭な6cm大のびらんを伴う紅斑が局面を形成していた。皮膚生検にて表皮内に大型核と淡明な細胞質を有する異型細胞の増殖を認めた。CEA染色陽性であり，乳房外Paget病を考えた。しかし，その後施行した免疫染色にてCK7（−），CK20（−），S-100（−），melan-A（−）を示し，pagetoid Bowen病と判明した。Pagetoid Bowen病と乳房外Paget病はCEAの免疫染色のみでは鑑別が難しく，複数の免疫染色を行う必要があると思われる。