Japanese
English
症例報告
酢酸リュープロレリン皮下注により生じた肉芽腫の2例
Two cases of granuloma caused by subcutaneous infusion of leuprorelin acetate
撫養 宗信
1
,
滝尻 珍重
2
,
白濱 茂穂
1
Munenobu MUYA
1
,
Chincho TAKIJIRI
2
,
Shigeho SHIRAHAMA
1
1聖隷三方原病院皮膚科
2医真会八尾病院皮膚科
1Department of Dermatology, Seirei Mikatabara Hospital
2Department of Dermatology, Ishinkai Yao Hospital
キーワード:
酢酸リュープロレリン
,
肉芽腫
Keyword:
酢酸リュープロレリン
,
肉芽腫
pp.801-803
発行日 1999年9月1日
Published Date 1999/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902997
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66歳男性と76歳男性.性ホルモン依存性の前立腺癌の治療のために,酢酸リュープロレリンの皮下注射を受けていた.酢酸リュープロレリンはluteinizing hormone releasing hormoneのagonistである.投与することにより下垂体からのluteinizing hormoneを枯渇させ,間接的にtestosteroneの分泌を抑制する.症例1は,3回目,症例2は12回目の皮下注射から,注射部直下に皮下腫瘤を自覚した.2例とも,病理組織学的には,真皮下層から皮下脂肪組織におけて類上皮細胞と巨細胞よりなる肉芽腫性変化が認められた.巨細胞内には大小の脂肪滴と思われる空胞が散見され,酢酸リュープロレリン皮下注により生じた肉芽腫と診断した.肉芽腫形成により,酢酸リュープロレリンの薬剤的有効性が阻害されている可能性があり,前立腺癌治療においてその投与に注意が必要と考えられた.
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