Japanese
English
症例報告
酢酸リュープロレリンの皮下注射部位に生じた異物肉芽腫の1例
A case of foreign body granuloma developed at the subcutaneous injection sites of leuprorelin acetate
田村 梨沙
1
,
舩越 建
1
,
齋藤 昌孝
1
,
大山 学
1
,
海老原 全
1
Risa TAMURA
1
,
Takeru FUNAKOSHI
1
,
Masataka SAITO
1
,
Manabu OHYAMA
1
,
Tamotsu EBIHARA
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Keio University School of Medicine,Tokyo,Japan
キーワード:
異物肉芽腫
,
酢酸リュープロレリン
,
前立腺癌
Keyword:
異物肉芽腫
,
酢酸リュープロレリン
,
前立腺癌
pp.984-987
発行日 2009年12月1日
Published Date 2009/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102461
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要約 68歳,男性.前立腺癌に対しLH-RHアゴニスト製剤である酢酸リュープロレリンの1か月製剤を計8回皮下注射した後,3か月製剤に変更した.投与後注射部位に腫脹を認め,皮下硬結が残存した.初診時には径4cm大でドーム状に隆起していた.病理組織学的に,脂肪織に巨細胞を含む組織球や炎症細胞の浸潤,線維化を伴う結節性の病変を認めた.間質や巨細胞の細胞質に空胞を認め,酢酸リュープロレリンによる異物肉芽腫と診断した.酢酸リュープロレリンを酢酸ゴセレリンに変更し,病変部にはステロイド外用を行ったところ,皮下腫瘤は縮小した.酢酸リュープロレリン3か月製剤による肉芽腫は,本邦では42例報告されており,そのほとんどが1か月製剤から3か月製剤への変更後に生じていた.この原因として,主剤や基剤の含有量が多く,長く体内に留まることで異物反応が生じたと考えた.
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