Japanese
English
症例報告
酢酸リュープロレリン皮下注射により生じた肉芽腫の1例
A case of granuloma caused by injections of leuprorelin acetate
加藤 篤衛
1
,
三石 剛
1
,
野呂 佐知子
1
,
川名 誠司
1
Tokue KATO
1
,
Tsuyoshi MITSUISHI
1
,
Sachiko NORO
1
,
Seiji KAWANA
1
1日本医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Nippon Medical School
キーワード:
異物肉芽腫
,
酢酸リュープロレリン
,
前立腺癌
Keyword:
異物肉芽腫
,
酢酸リュープロレリン
,
前立腺癌
pp.1013-1016
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101050
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要約 73歳,男性.昨年2月より前立腺癌にて当院泌尿器科へ通院中であり,ホルモン療法を受けていた.昨年10月頃よりホルモン療法注射部位の下腹部に皮下硬結が生じ,次第に増大し腫瘤になった.左下腹部に4.5×3.2×1.0cm,表面常色,弾性硬,周囲との境界は比較的明瞭で下床との癒着のある腫瘤を認め,MRIで前立腺癌の皮膚転移を疑った.病理組織学的に真皮から脂肪織にかけて一部壊死を伴い,類上皮細胞,異物型巨細胞,大小の空胞を混じた肉芽腫を認めた.酢酸リュープロレリンは黄体化ホルモン放出ホルモンアゴニストで前立腺癌や乳癌のホルモン療法として用いられる.酢酸リュープロレリンは硬結,紅斑などの局所副作用の報告があるが,腫瘤を生じる症例は稀である.
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