Japanese
English
症例報告
肛囲Paget病が初発症状であった肛門管癌の1剖検例
An autopsy case of anal canal cancer showing Paget's disease as the first sign
森久 阿津子
1
,
延藤 俊子
1
,
幸田 衞
1
,
植木 宏明
1
Atsuko MORIHISA
1
,
Toshiko NOBUTOH
1
,
Mamoru KOHDA
1
,
Hiroaki UEKI
1
1川崎医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kawasaki Medical School
キーワード:
肛囲Paget病
,
肛門由来肛門管癌
,
粘膜下腫瘍
Keyword:
肛囲Paget病
,
肛門由来肛門管癌
,
粘膜下腫瘍
pp.758-760
発行日 1999年8月1日
Published Date 1999/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902987
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患者は75歳の女性.約7か月前から肛囲に紅斑,びらんが生じ,近医にて生検の結果Paget病と診断された.消化管の内視鏡検査では特別な異常所見は認められなかったが,念のため施行した胃と大腸からの生検標本から印環細胞癌の転移巣が発見された.原発巣の検索中急速に腎後性腎不全や腹水,さらに肺の癌性リンパ管症が出現し,初診から4か月後に死亡した.剖検では肺および腹腔,後腹膜腔の諸臓器に広範囲に転移巣がみられた.肛門管の粘膜下に腺様構造を示す粘液癌があり,この肛門腺由来肛門管癌が原発巣と診断した.
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