Japanese
English
症例報告
原発巣不明の肛囲Paget現象の1例
A case of perianal Paget's phenomenon with unknown primary lesion
宮本 章弘
1
,
浅井 大志
1
,
村岡 聡介
1
,
馬場 俊右
1
,
赤坂 俊英
1
Akihiro MIYAMOTO
1
,
Hiroshi ASAI
1
,
Sosuke MURAOKA
1
,
Shunsuke BABA
1
,
Toshihide AKASAKA
1
1岩手医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Iwate Medical University,Morioka,Japan
キーワード:
肛囲Paget病
,
Paget現象
,
GCDFP15
,
CK7
,
CK20
Keyword:
肛囲Paget病
,
Paget現象
,
GCDFP15
,
CK7
,
CK20
pp.961-963
発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102456
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 95歳,女性.肛門から周囲に一部にびらんや白苔を伴う手拳大の不整形紅斑局面を認めた.病理組織像では,表皮内に限局して胞体に富む印環細胞様の腫瘍細胞の増殖を認めた.免疫組織化学的所見では,腫瘍細胞はGCDFP15,CK7は陰性,CK20は陽性を示し,下部消化管癌の皮膚浸潤であるPaget現象と診断した.しかし,全身精査を行うも,明らかな原発巣の確認はできなかった.これらの事実は,CK20陽性でGCDFP15,CK7陰性の染色パターンを示す肛囲Paget現象が肛門括約筋から皮膚粘膜側にも存在すること,すなわち肛門括約筋から皮膚粘膜側に迷入していた直腸・肛門腺から生じた肛囲Paget現象が存在することを示唆している.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.