Japanese
English
症例報告
肛囲にPaget現象を呈した肛門管癌の1例
A case of anal canal carcinoma with perianal Paget phenomenon
森 志朋
1
,
遠藤 幸紀
1
,
赤坂 俊英
1
Shiho MORI
1
,
Kouki ENDO
1
,
Toshihide AKASAKA
1
1岩手医科大学皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Iwate Medical University, Morioka, Japan
キーワード:
肛門管癌
,
Paget現象
,
CK20
,
GCDFP15
Keyword:
肛門管癌
,
Paget現象
,
CK20
,
GCDFP15
pp.963-966
発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204599
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要約 69歳,男性.2012年頃より排便時肛門痛を自覚していたが放置していた.排便困難をきたし翌年12月に前医を受診した.肛門狭窄や周囲炎を認め大腸内視鏡を施行したがそれ以外に異常所見はなかった.周囲炎部の生検病理組織像で腺癌と判明し外科と当科を受診した.肛門周囲と陰囊部に発赤・びらん局面を認め,病理組織所見では皮疹部は表皮内に胞体の明るい異型細胞が浸潤し,肛門粘膜部は腺癌の像であった.免疫組織学的所見はCDX-2+,CK19+,CK20+,CK7−,GCDFP−でPaget現象を呈した肛門管癌と診断し,皮疹辺縁より1.5cm離してmapping biopsy施行した.生検部に腫瘍細胞は認めずMiles手術時に皮膚切除し単純縫縮した.肛門周囲に皮疹を認める場合は,診断確定や切除範囲決定のためにも皮膚科医は積極的にmapping biopsyを行う必要がある.
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