Japanese
English
症例報告
紅皮症を呈した慢性型成人T細胞白血病・リンパ腫
Chronic type adult T-cell leukemia/lymphoma with erythroderma
天羽 康之
1
,
間中 泉
1
,
小方 冬樹
1
,
岡部 省吾
1
,
手島 伸一
2
Yasuyuki AMO
1
,
Izumi MANAKA
1
,
Fuyuki OGATA
1
,
Seigo OKABE
1
,
Shinichi TESHIMA
2
1同愛記念病院皮膚科
2同愛記念病院病理部
1Department of Dermatology, Fraternity Memorial Hospital
2Department of Pathology, Fraternity Memorial Hospital
キーワード:
成人T細胞白血病・リンパ腫
,
HTLV−1
,
紅皮症
Keyword:
成人T細胞白血病・リンパ腫
,
HTLV−1
,
紅皮症
pp.753-756
発行日 1999年8月1日
Published Date 1999/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902985
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症例は58歳,男性.初診時,口囲と間擦部に浸潤性紅斑を認め,生検組織像で表皮,真皮上層の稠密な異型リンパ球の浸潤をみた.さらに末梢血中リンパ球にHTLV−1プロウイルスのモノクローナルな組み込みを検出し,成人T細胞白血病・リンパ腫と診断した.経過中,皮疹は急速に拡大,融合して紅皮症状態を呈した.紅皮症を呈する皮疹より採取した生検組織像では,初診時のものと比較して腫瘍細胞の表皮向性ならびに真皮内細胞浸潤とともに軽度であり,真皮の血管周囲には腫瘍細胞の他に慢性炎症細胞が多数混在して認められた.治療としてステロイド内服・外用を用いたが無効であり,レチノイド内服とrIFN—γ全身投与の併用を試みたところ皮膚症状の軽快が得られた.
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