Japanese
English
症例報告
稽留性肢端皮膚炎汎発型の1例
A case of acrodermatitis continua of Hallopeau
小池 美佳
1
,
岩原 邦夫
1
Mika KOIKE
1
,
Kunio IWAHARA
1
1江東病院皮膚科
1Division of Dermatology, Koto Hospital
キーワード:
稽留性肢端皮膚炎
Keyword:
稽留性肢端皮膚炎
pp.38-40
発行日 1999年1月1日
Published Date 1999/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902752
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73歳,女性.40歳頃より左第I趾爪部に,発赤,膿疱が出現.その後右第I趾爪部にも同様の症状が出現したため近医にて治療し,左第I趾爪部は治癒するも右第I趾爪部は軽快せず爪甲は破壊脱落した.その後も同部位は時々膿疱形成を繰り返すため,当科受診.抗生物質,ステロイド,タカルシトールの外用にて治療するも症状は一進一退し,初診の4か月後,手指の発赤,爪甲から全身に紅斑,膿疱が拡大した.爪部,腹部の生検組織像ではKogoj海綿状膿疱を認め,稽留性肢端皮膚炎の汎発型と診断.エトレチナートの内服と外用PUVAにて汎発疹は消失した.現在は手足の爪甲に時々,発赤,膿疱を繰り返すのみである.稽留性肢端皮膚炎の汎発化は女性では若年発症例が多いが自験例は発症年齢が40歳過ぎであり,また汎発化するまでの期間が20年以上と長期に及ぶ点で比較的稀な症例と考えた.
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