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稽留性肢端皮膚炎の1例
西村 長應
1
,
出來 利夫
1
1和歌山縣立醫科大學皮膚科泌尿器科教室
pp.17-21
発行日 1949年1月1日
Published Date 1949/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200142
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緒言
本疾患は1885年CrockerによつてDerma-titis repensの病名の下に初めて報告せられ,次でHallopbauによつてAcrodermatitis con-tinua(1890,1892,1897),SuttonによつてAcrodermatitis perstansの名稱で報告されてゐる.本邦に於ては昭和9年横山氏によつて初めて其の1例が報告せられ,次で高月・秋山(2例),伊藤・太田・岡の諸氏に依つて報告せられ,現在迄約7例が報告されてゐるに過ぎない.其臨床所見は症例によつて可なりの差異があり,且つ其の病因に關しても亦種々な読が發表せられ今日尚不明な點も少くない.本症は普通指趾端に於ける外傷に次で發病する炎症性皮膚疾患で.角層の増殖と其の直下に於ける有棘層に多數の小膿疱を形成し,慢性の經過を取る稀有な疾患である.最近我々も其の1例を經驗したので,以下其の所見に就て記述したい.
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