Japanese
English
今月の症例
薬剤により皮疹が誘発されたサイトメガロウイルス単核球症の1例
A case of cvtomegalovirus mononucleosis with eruption induced by drug
小鍛治 知子
1
,
塩原 哲夫
1
,
清川 浩路
2
Tomoko KOKAJI
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
,
Hiromichi KIYOKAWA
2
1杏林大学医学部皮膚科学教室
2杏林大学医学部第一内科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine
21st Department of Internal Medicine, Kyorin University School of Medicine
キーワード:
薬疹
,
サイトメガロウイルス単核球症
,
ミノサイクリン
,
肝障害
Keyword:
薬疹
,
サイトメガロウイルス単核球症
,
ミノサイクリン
,
肝障害
pp.789-792
発行日 1998年9月1日
Published Date 1998/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902647
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要約 33歳,女性.初診の3週間前より微熱があり,2週間前より感冒様症状が出現.軽快が認められないため,ミノサイクリン(ミノマイシン®)を含む様々な薬剤の内服を開始した.症状はその後も軽快せず,ミノマイシン®のみ内服を継続したところ,内服6目目より全身に強い瘙痒を伴う紅斑が出現.検査所見では末梢血中の異型リンパ球の増加(45.5%)と肝障害を認めた.ウイルス抗体価では初診時にCMVIgMの出現を認め,その後のIgGの上昇,CFの高値より,サイトメガロウイルス単核球症と診断した.EBウイルス単核球症と同様,サイトメガロウイルス単核球症も薬剤により皮疹が誘発される場合が多く,日常の診療で,ウイルス抗体価を経時的に検査しないまま単なる薬疹と診断されているケースがかなりあるのではないかと考えられた.
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