Japanese
English
症例報告
サイトメガロウイルス単核症の1例
A case of cytomegalovirus mononucleosis
鶴田 大輔
1
,
持田 和伸
1
,
福田 道夫
1
,
小林 裕美
1
,
中川 浩一
1
,
濱田 稔夫
1
Daisuke TSURUTA
1
,
Kazunobu MOCHIDA
1
,
Michio FUKUDA
1
,
Hiromi KOBAYASHI
1
,
Koichi NAKAGAWA
1
,
Toshio HAMADA
1
1大阪市立大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Osaka City University Medical School
キーワード:
サイトメガロウイルス単核症
,
輸血
,
薬疹
Keyword:
サイトメガロウイルス単核症
,
輸血
,
薬疹
pp.1189-1192
発行日 1994年12月1日
Published Date 1994/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901390
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60歳,女性の全身に皮疹を生じたサイトメガロウイルス単核症(以下CMV単核症)の1例を報告した.皮疹は肉眼的には多形紅斑様であり,病理組織学的には真皮血管周囲の細胞浸潤像を示した.入院時および入院後第14病日にサイトメガロウイルス(以下CMV)の抗体価を測定し,4倍以上の上昇を認め,CMV単核症と診断した.本邦人の大半においてはCMV感染は思春期までに生じるため,自験例のような高齢者に生じる頻度は非常にまれであると考えられた.自験例では一部,バルプロ酸ナトリウム(商品名:デパケン®)による薬疹の合併を示唆する所見を呈したが,確定診断することはできなかった.多形紅斑を呈する症例ではCMV単核症の可能性も考え,必要に応じてCMV抗体価の測定とPCR法による尿・血清のウイルス検査を行うことが望ましいと考えられた.
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