連載
Practical English for Busy Physicians・55
Steven D. Emmet
1
1California大学San Diego校
pp.651
発行日 1998年7月1日
Published Date 1998/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902612
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HMO保険の現状,お薦めの語源学書
アメリカにおけるHMOの現状はまるで振子かバネの上で揺らぐ重りのようです.Managed care,別名HMOが誕生した当初は,保険会社と政治家たちはこぞって充実した医療内容および医療費の節減を口にしたものですが,最近では多くのHMOに加入している被保険者たちが専門医の所へ自由にまたは必要なときに行けないことにいらだちを覚えており,ここに至って二大政党派もHMOの保険会社を告発し,「専門医へ自由に行ける患者の権利を確立できる法律を設定しよう」をうたい文句に選挙戦を繰り広げております.実際のところ国民は政府による国民皆保険制度の導入よりも,患者に必要な正当な治療の認定を拒否するHMO保険会社を訴えるための法律の確立のほうを望んでおります,これは少々複雑な状況にあるのですが,現在の国の法律ではHMOを訴えることができません.そして患者からの不満に対して,保険会社側の言い分は,ぜひ必要と思われる治療を自由にやって下さい.ただしその治療をしてもしなくても医療機関への支払い額は同じですというものです.したがって患者側は十分な治療を受けるためには保険の掛け金を増やさざるをえないということになります.国民はこの状況を完全には把握できていないようです.まだまだしばらくはこのようなアンバランスな状況が続くと思われますが,もちろん何か変わり次第すぐにお知らせします.
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