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新しい本のシリーズ,最新HMO情報,若者言葉について
今回は新しい本のシリーズから話を始めましょう.以前にこちらで今人気のある“Complete Idiots”や“For Dummies”シリーズについてお話ししたと思いますが,最近新たに“Ten Minute Guide To…”というのが出ました.読者に少しでも難しいものを分かりやすくしようとするのは判りますが,“Ten Minute Guide To Neurosurgery”というのはいただけませんね.しかしそのうちにそういう時が来るかもしれませんよ.それと,以前に国の文化や習慣によって週末や新年が違うことについてお話ししましたが,最近これをビッグビジネスにした人が現れました.Mr.Spraosはこれらの情報を売って成功していますが,果たして誰にこのような情報が必要なのでしょうか.答えは銀行や金融業界の人たちで,契約やローンの作成にとても重要になってくるわけでして,休日が挟まることで返済期日が前後し,それによって何億という利息が動くわけです.この情報が必要な方は現在一般公開されていますので次のサイトを調べて下さい.http://financialcalendar.com/です.ここにはこれから先31年の休日の情報が入っています.
さてここでもっと深刻な話をしましょう.HMO保険制度は医療界においてゴジラのような存在で,特に患者や医師にとって不都合なものでした.しかし最近ではこれも少しずつですが変わりつつあります.ここアメリカでは州法と国家法が共存しており,それに伴いいろいろの訴訟の裁判権(司法権)も複雑に関与しております.ちょっと判りにくいと思いますが,実際のところ私たちにとっても判りにくいものです.アメリカの上院議会において共和党と民主党の両党ともに患者や医師にもう少し有利な権限を与えようとしたのですが,共和党は我々よりも大企業である保険会社のほうへの利益を考えたようです.しかしながらいろいろの州では独自の見解をもって州法を改正しており,ここカリフォルニアでは患者がHMOを訴えることができるという法案を成立しました.これは訴訟権を与えたばかりでなく,HMOにその裁判にかかった費用の肩代わりを求める要項も含まれております.費用と言えどもこれは何億にも達するわけですから,保険会社にとって大きな損失になり得るわけです.
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