Japanese
English
症例報告
IgA腎症を呈し,ステロイドパルス療法により蛋白尿が減少したSchönlein-Henoch紫斑病の1例
A case of Schönlein Henoch purpura, of which proteinuria of IgA nephropathv was successfully treated with steroid pulse therapy
大塚 勤
1
Tsutomu OHTSUKA
1
1獨協医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Dokkyo University School of Medicine
キーワード:
蛋白尿
,
IgA腎症
,
ステロイドバルス療法
Keyword:
蛋白尿
,
IgA腎症
,
ステロイドバルス療法
pp.622-624
発行日 1998年7月1日
Published Date 1998/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902603
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
IgA腎症を呈し,ステロイドバルス療法により蛋自尿が減少したSchönlein-Henoch紫斑病の成人例を報告した.患者47歳,女性.初診平成7年1月11日.初診の約1週間前に四肢に自覚症状を伴わない紅色皮疹が出現した.両側下腿に粟粒大から小豆大の点状出血,紫斑が播種性に認められた.組織学的に真皮上層から中層の血管周囲に好中球,単核球より成る細胞浸潤,核破砕片を認め,血管周囲にIgA沈着を認めた.抗ヒスタミン剤内服にて皮疹消退.しかし,1月26日再び同様皮疹が出現した,3.8g/日の蛋白尿を認め,検尿で潜血(+++).腎牛検の結果lgA腎症の診断に至った.ステロイドパルス療法を計4回施行し,蛋白尿が1日0.5g以下になった時点で退院した.成人のSchönlein-Henoch紫斑病に合併したlgA腎症は予後不良のことが多く,早期にステロイドパルス療法を行うことは有効と考えられた.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.