Japanese
English
症例報告
Nagashima型掌蹠角化症の兄妹例
A sibling case of Nagashima-type of palmoplantar keratosis
中村 稔
1,2
,
五十嵐 勝
1
,
市川 眞喜子
1
,
大井 綱郎
2
,
川崎 了
3
Minoru NAKAMURA
1,2
,
Masaru IGARASHI
1
,
Makiko ICHIKAWA
1
,
Tsunao OH-I
2
,
Satoru KAWASAKI
3
1東京医科大学八王子医療センター皮膚科
2東京医科大学皮膚科教室
3川崎皮膚科
1Department of Dermatology, Hachioji Medical Center, Tokyo Medical College
2Department of Dermatology, Tokyo Medical College
3Kawasaki Hifuka
キーワード:
Nagashima型掌蹠角化症
,
Meleda型掌蹠角化症
,
遺伝性掌蹠角化症
Keyword:
Nagashima型掌蹠角化症
,
Meleda型掌蹠角化症
,
遺伝性掌蹠角化症
pp.456-460
発行日 1998年5月1日
Published Date 1998/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902563
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37歳男性,34歳女性の兄妹のNagashima型掌蹠角化症を報告した.いずれの症例も両側の手掌,足底にびまん性の潮紅が見られ,角質増殖を伴っていた.男性例では肘膝部にも認められた.病変は幼少時より出現し,7歳頃に進行が止まり,現在まで症状の増悪はない.組織学的にはorthohyperkeratosisを示していた.家族歴には血族結婚はなく,両親,親族などに同様の症状も見られていない.HLAのタイピングではCw7が一致し,遺伝形式は常染色体劣性遺伝と考えられた.以上のことよりNagashima型掌蹠角化症と診断した.本症は過去の報告ではMeleda型掌蹠角化症としての報告が多いが,新しい遺伝性角化症の分類では,「Nagashima型」としてその独立性が認められるようになっている.今回,Nagashima型掌蹠角化症として典型的な兄妹例を経験したので報告した.
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