Japanese
English
症例報告
圧痛を伴った平滑筋母斑の1例
A case of nevus leiomvomatosus with tenderness
安部 正敏
1
,
田村 敦志
1
,
鈴木 裕美子
1
,
秋元 幸子
1
,
石川 治
1
,
宮地 良樹
1
Masatoshi ABE
1
,
Atsushi TAMURA
1
,
Yumiko SUZUKI
1
,
Sachiko AKIMOTO
1
,
Osamu ISHIKAWA
1
,
Yoshiki MIYACHI
1
1群馬大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Gunma University School of Medicine
キーワード:
平滑筋母斑
,
圧痛発生機序
,
デスミン
,
ビメンチン
,
立毛筋
Keyword:
平滑筋母斑
,
圧痛発生機序
,
デスミン
,
ビメンチン
,
立毛筋
pp.152-154
発行日 1998年2月1日
Published Date 1998/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902440
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3歳女児の左下腿に生じた平滑筋母斑の1例を報告した.病理組織学的所見では,真皮下層から皮下脂肪織にかけて,被膜のない不整形の好酸性に染まる腫瘍塊が認められた.腫瘍細胞は索状に走行し,Masson trichrome染色で鮮紅色を呈した.また,腫瘍細胞はデスミン陽性,ビメンチンおよびS−100蛋白は陰性であった.平滑筋母斑は幼児期に好発し,病理組織学的に真皮における平滑筋東の増生を特徴とする母斑性病変である.一般に自覚症状を伴うことは少ないが,自験例では圧痛を伴っていた.本症における圧痛発生機序は明らかでないが,平滑筋由来の腫瘍性病変で疼痛を伴うことの多い血管平滑筋腫では,いくつかの疼痛発生機序が推定されている.それらの報告と,自験例の特殊染色による検討より,我々は自験例の疼痛発生機序について,狭小な血管腔がもたらす腫瘍の虚血状態が疼痛を起こす可能性を推測した.
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