Japanese
English
症例報告
血管拡張を伴い陥凹局面を呈した平滑筋母斑の1例
A case of smooth muscle hamartoma with vasodilation manifesting as a depressed plaque
千々和 智佳
1
,
武岡 伸太郎
1
,
田中 隆光
1
,
多田 弥生
1
,
大西 誉光
1
,
渡辺 晋一
1
Chika CHIJIWA
1
,
Shintaro TAKEOKA
1
,
Takamitsu TANAKA
1
,
Yayoi TADA
1
,
Takamitsu OHNISHI
1
,
Shinichi WATANABE
1
1帝京大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
平滑筋母斑
,
陥凹
,
血管拡張
Keyword:
平滑筋母斑
,
陥凹
,
血管拡張
pp.431-434
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205439
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要約 27歳,男性.出生時より背部に自覚症状のない鶏卵大の茶褐色斑があり,同部位は陥凹し,表面の血管は拡張していた.茶褐色斑の範囲は成長と同じ比率で拡大した.受診時,左上背部に手掌大の不規則な地図状の茶褐色斑を認め,茶褐色斑上に分枝状の拡張した血管があり,褐色斑は中央に向かってなだらかに約1cm陥凹していた.褐色斑は軽度の浸潤を触れ,多毛はなかった.生検皮膚病理組織像で真皮内に種々の方向に束上に走行する平滑筋束が増生していた.線維束はデスミン陽性,α-smooth muscle actin陽性,Masson-Trichrome染色で赤染,Elastica van Gieson染色で黄染した.本人の希望で経過観察している.萎縮性局面を呈した平滑筋母斑の報告はあるが,陥凹についての言及はない.自験例では有意に真皮の膠原線維の厚さが減少しており陥凹の本態は真皮の萎縮と考えられた.
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