Japanese
English
症例報告
血管平滑筋由来と考えた右中指PIP関節屈側に生じた平滑筋母斑の1例
A case of smooth muscle hamartoma on the PIP-joint of the right middle finger putatively arising from vascular smooth muscle cells
吉井 優太
1
,
宗次 太吉
1
,
西澤 綾
1
,
大塩 絢子
1
,
端本 宇志
1
,
藤本 典宏
1
,
佐藤 貴浩
1
Yuta YOSHII
1
,
Takichi MUNETSUGU
1
,
Aya NISHIZAWA
1
,
Ayako OSHIO
1
,
Takashi HASHIMOTO
1
,
Norihiro FUJIMOTO
1
,
Takahiro SATOH
1
1防衛医科大学校皮膚科学講座
1Department of Dermatology, National Defense Medical College, Tokorozawa, Japan
キーワード:
血管平滑筋
,
平滑筋母斑
,
手指
Keyword:
血管平滑筋
,
平滑筋母斑
,
手指
pp.406-410
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206071
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要約 16歳,男児.幼少時より右中指PIP関節屈側に常色結節を認めていた.成長に伴い結節は拡大傾向を示し,疼痛を自覚するようになったことから当科受診.右中指PIP関節屈側に17×17mm大,1mm程隆起する弾性やや軟,常色から黄白色の皮内結節を認めた.生検組織にて真皮内に紡錘形細胞が小結節状に増大し,内部には血管の増生を認めた.腫瘍細胞はα-SMAとデスミンが陽性,ビメンチン陰性.病理組織学的所見から平滑筋母斑と診断した.さらに全摘出を行い,すべての切片を確認したが毛包を認めなかった.平滑筋線維束と血管壁が連続してみられ,立毛筋を認めないことから,血管平滑筋由来と考えた.平滑筋母斑が掌蹠に生じ,血管由来と記載されていた報告は過去に数例認めるのみである.診断に際しては特異的なマーカーなどはなく,組織学的な特徴から血管由来と診断されている.
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