印象記
第19回世界皮膚科学会に参加して(1997年6月15日〜20日,シドニー市)
天谷 雅行
1
1慶應義塾大学皮膚科学教室
pp.874-876
発行日 1997年9月1日
Published Date 1997/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902327
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5年に1度開催される世界皮膚科学会が,1997年6月15日から20日までの6日間の日程で,オーストラリア・シドニーにおいて開催された.世界皮膚科学会は,1889年パリで行われた学会を第1回として,第一次世界大戦,第二次世界大戦の2度にわたる中断を経て,今回で第19回目を迎える伝統ある会である.会頭はロビンマークス先生(オーストラリア),事務局長がアランクーパー先生(オーストラリア)で,2人の先生とも大変若く精力的な感じの方で,オーストラリアのイメージと併せて,21世紀に向かって羽ばたく国の勢いを感じさせた.学会のプログラム作成は,国際皮膚科学会連合(ILDS)の周到な準備の元になされている.同連合は,会長がシュトラウス先生(米国),事務総長がマスカロ先生(スペイン),財務がオルファノス先生(ドイツ),および14名の国際皮膚科学委員会の委員(Ex-officeを含む)により構成されている.
今回の学会の大きな特徴は,世界皮膚科学会として20世紀最後の学会であり,南半球で行われた最初の学会であるということである.また,欧州,北米以外の開催地としては,東京に次いで2回目となる.“Look Back! LookArround! Look Forward!”を学会のテーマとして,過去100年の皮膚科学における進歩を見直し,現在の状況を評価し,21世紀に向けてどのような進歩が期待されるかを検討,討論する機会とした.
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