特集 図説 胃と腸用語集2012
分類・定義
シドニー分類(Sydney system)
鎌田 智有
1
,
塩谷 昭子
1
1川崎医科大学消化管内科
キーワード:
シドニー・システム
Keyword:
シドニー・システム
pp.854
発行日 2012年5月24日
Published Date 2012/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113423
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シドニー分類は,1990年にオーストラリアのシドニーで開催された第9回世界消化器病学会で提唱された胃炎の国際的表記法1)である.これまでの胃炎分類を基盤として,さらにHelicobacter pylori(HP)感染を主体とした胃炎診断であり,histological division(組織学的部門)とendoscopic division(内視鏡部門)の2部門から構成されている(Fig. 1)2).
組織学部門 組織学部門では,etiology(成因),topography(局在),morphology(形態)の3項目に分類され,病因としては,HP,自己免疫性,薬剤性,特発性,感染性などが挙げられている.局在として,幽門部胃炎,体部胃炎,汎胃炎に分類され,形態学的には,炎症(単核球浸潤),活動性(好中球浸潤),萎縮,腸上皮化生,HPの5項目を診断し,さらにこれらの程度をnone(なし),mild(軽度),moderate(中等度),severe(高度)の4段階で評価する.さらに1996年,組織学的所見についてはThe undated Sydney System3)として改訂されている.主な改訂点は,胃内の5点生検(前庭部小彎,前庭部大彎,胃角部小彎,胃体部小彎,胃体部大彎)を行い,先の5項目について定量化することにある.
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